サン=サーンス/ミヨー四重奏の夕べ
1994-04-07


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stravinsky ensemble サロンコンサート 3
於:榎坂スタジオ

*曲目

* カミーユ・サン=サーンス
  CAMILLE SAINT-SAENS (1835-1921)

フルート、オーボエ、クラリネット、ピアノのための
デンマークとロシアの歌によるカプリス
CAPRICE sur des airs Danois et Russes
pour flute, hautbois, clarinette et piano

フルートのための
「アスカニオ」によるアダージォとヴァリアシオン(タファネル作曲)
Adagio et cariation sur "ASCANIO" par Taffanel

[歌曲] 見えない笛(フルート助奏付き)
憧れし東洋の国 愛しあおう 死の舞踏
MELODIES Une flute invisible /
Desir de l'orient / Aimons-nous / Danse macabre

オーボエとピアノのためのソナタ
1.アンダンティーノ 2.アレグレット 3.モルトアレグロ
SONATE pour hautbois et piano
Andantino / Allegretto / Molto allegro

* ダリウス・ミヨー
  DARIUS MILHAUD (1892-1974)

クラリネットとピアノのためのソナチネ
1.粗暴に 2.レント 3.粗暴に
SONATINE pour clarinette et piano
Tres rude / Lent / Tres rude

フルート、オーボエ、クラリネット、ピアノのためのソナタ
1.のどかに 2.ゆかいに 3.荒々しく 4.悼ましく
SONATE pour flute, hautbois, clarinette et piano
Tranquille / Joyeux / Emporte / Douloureux

encore
ラヴェル:「子供と魔法」より カエルたちのバレエ


*出演

田中典子 フルート
和久井仁 オーボエ
大成雅志 クラリネット
川北祥子 ピアノ
砂畑直子 ソプラノ(ゲスト)
柴田篤志 おはなし


*解説(柴田篤志)

カミーユ・サン=サーンス

 ♪フルート、オーボエ、クラリネット、ピアノのためのデンマークとロシアの歌によるカプリスop.79 (1887)

 カプリスとはカプリッチオとも言い、日本語では奇想曲。ここでいうカプリスとは、技巧的な器楽小品という意味。ことにフランスの作曲家のものは、諧謔(かいぎゃく)的な性格を持つことが多い。
 この曲は、1887年4月サンクトペテルブルグに招かれて演奏旅行をする際書かれた。この旅行には友人のポール・タファネル(フルート奏者、作曲家)が同行している。このタファネルは1879年、「管楽器のための室内楽協会」を設立しており、サン=サーンスは自ら設立に寄与した国民音楽協会を離脱後、友人の設立したこの団体を活動の場として室内楽曲を盛んに書くようになる。
 ともかく多才でならしたサン=サーンスではあるが、管楽器だけは自ら演奏しなかったようで、ピアノ、オルガン、弦楽器以外に書いた独奏曲というと、フルートのもの、ホルンのもの、ハープ、ハルモニウムのものがあるに過ぎない。そんな彼が、1879年以降は有名な七重奏曲(1881)をはじめ、ホルン、トランペット、オーボエ、クラリネット、ファゴットなどを使った曲を世に出すようになるのは、この協会の果たした役割が小さくないことの一つの証明になろう。なお、協会設立以前にもフルートのための曲は2曲ほどあるが、これはタファネルとの親交が影響しているのであろう。
 この曲はロシア皇帝アレクサンドル3世に献呈されている。この后がデンマークから嫁いだダグマルという女性だったため、「ロシア」と「デンマーク」の歌を用いた曲になったと想像される。短気と形容されたサン=サーンスだが、案外社交辞令に長けていたのであろうか。

 ♪フルートのための「アスカニオ」によるアダージョとヴァリアシオン


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