イングランドとオーヴェルニュの歌(カフコンス第9回)
2004-05-16


第9回荻窪の音楽祭(主催:「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」の会
共催:杉並区文化・交流協会 後援:杉並区/杉並区教育委員会
21世紀の荻窪を考える会)参加公演

*曲目

ヴォーン ウィリアムス「ひばりは高く」
Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
The lark ascending (1914-20)
(ヴァイオリン&ピアノ)

同「2つのイングランド民謡」
Two english folk-songs
  Searching for lambs 小羊を探して
  The lawyer 法律家
(ソプラノ&ヴァイオリン)

カントルーブ「オーヴェルニュの歌 第1集」
Joseph Canteloube (1879-1957)
Chants d'Auvergne 1re serie (1923)
  La pastoura als camps 野の羊飼いの娘
  Bailero バイレロ
  Trois bourees 3つのブーレ*
   a)L'aio de rotso 泉の水
   b)Ound'onoren gorda? どこへ羊を放そうか?
   c)Obal,dins lou Limouzi あちらのリムーザンには
(ソプラノ&ピアノ +*ヴァイオリン)

(ヴォーンウィリアムス編「グリーンスリーブス」)


*出演

渡辺有里香(ソプラノ)
島ア祐子(ヴァイオリン)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 カフコンス民謡シリーズ第1回(!?)の本日は、民謡の採譜編曲で知られる二人の作品を並べてみた。
 ヴォーンウィリアムス(英)は民謡を「和声やリズムに支配されない純粋な旋律」と呼んだ。「2つのイングランド民謡」では伴奏にも旋律楽器であるヴァイオリンが用いられている。また彼は民謡を「共同体という幹をもつ個の開花」とも呼び、これを音楽活動の理想としていた。「ひばりは高く」は具体的な民謡からは離れ、彼の理想を普遍性をもって実現したと言われる作品の一つで、19世紀イギリスの作家メレディスの詩から着想された。
 民謡研究を創作にも反映させたヴォーンウィリアムスに対し、カントルーブ(仏)は「無伴奏で歌う農民の周りには自然や大地の伴奏があり、芸術家にしか聞こえないその伴奏を音楽に書き表すことによって、必要な雰囲気を呼び起こすことができる」と語って、フランス各地の民謡収集と伴奏付けに専念し、故郷へのオマージュともいえる「オーヴェルニュの歌」(全5集27曲)が代表作となった。


*歌詞大意

「2つのイングランド民謡」

* 小羊を探して

ある五月の朝 娘に出会った
ちょうど太陽が昇った
「どうしてこんなに早く行くの
 小さな足で朝の露をはねながら」
「丘や谷のあちらこちらでお母さん羊を待っている
 おさない小羊たちに えさをやるの」
「ああ行かないで もう少しここにいて
 私がこんなに愛する人はあなたの他にはいないから
 何と太陽は素晴しく輝き何と空気が心地よいことか
 ほんとうの愛の懐で休みたい 他のどこでもなく
 私はあなたのもの あなたは私のものだから
 誰にもあなたを困らせたりさせない 結婚しよう」

* 法律家

あるとき法律家が馬車で通りかかった町で
娘を見かけ とても綺麗だと思った
「美しい娘さんどちらへお出かけですか?」
「父が草刈りをしている向こうの牧場へ」
「私がロンドンへ連れていってあげましょう
 シルクの服や金の指輪もあげましょう」
「ロンドンなんて知りませんわ
 シルクの服や金の指輪もいりませんわ」
今では彼女は貧乏な男の妻 夫に深く愛されて
町で彼女ほど幸せな女性はいない

「オーヴェルニュの歌 第1集」

* 野の羊飼いの娘

羊飼いの娘が野へ出て羊の番をしていると、
素敵な男と出会う。
「なんてかわいらしいんだ、
 よくあんたを眺めさせておくれ」
「それなら、あんたの馬を木につないだら」
男は娘を自分のものにできる!と思ったが、
娘はサッと逃げて行った。

* バイレロ


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