ヴィルモランのテキストによる作品とフルート
2001-11-12


禺画像]
Serie Poulenc ~ a Mickey プーランクシリーズ 1
於:榎坂スタジオ

*曲目

Francis Poulenc (1899-1963) / Louise de Vilmorin (1902-1971)
フランシス・プーランク / ルイーズ・ドゥ・ヴィルモラン:

Novelette (1927)
Novelette sur un theme de Manuel de Falla (1959)
ノヴレット ハ長調
ファリャの主題によるノヴレット ホ短調
(pf.川北祥子)

Trois Poemes de Louise de Vilmorin (1937)
ヴィルモランの3つの詩
  1.Le garcon de Liege リエージュの少年
  2.Au-dela あの世
  3.Aux officiers de la garde blanche 白衣の天使たちに
(sop.渡辺有里香 pf.川北祥子)

Sonate pour flute et piano (1957)
フルートとピアノのためのソナタ
  1.Allegro malinconico
  2.Cantilena
  3.Presto giocoso
(fl.斎藤和志 pf.川北祥子)

Un joueur de flute berce les ruines (1957)
廃虚を守る笛吹き
(fl.斎藤和志)

Villanelle pour pipeau et piano (1934)
笛とピアノのためのヴィラネル
(picc.斎藤和志 pf.川北祥子)

Metamorphoses (1943)
変身
  1.Reine des mouettes かもめの女王
  2.C'est ainsi que tu es お前はこんなふうだ
  3.Paganini パガニーニ
(sop.渡辺有里香 pf.川北祥子)

Fiancailles pour rire (1939)
気まぐれな婚約
  1.La dame d'Andre アンドレの奥さん
  2.Dans l'herbe 草の中で
  3.Il vole 飛んでいるのね
  4.Mon cadavre est doux comme un gant
    私の亡骸は手袋のように柔らかく
  5.Violon ヴァイオリン
  6.Fleurs 花
(sop.渡辺有里香 pf.川北祥子)

encore:マズルカ (1949)
(sop.渡辺有里香 fl.斎藤和志 pf.川北祥子)


*解説

 20世紀のフランス歌曲、と聞いても大抵はピンとこない。フランス歌曲ということはシャンソンなのか、しかも現代曲?プーランクはれっきとしたその代表格であるが、彼の場合は分かりやすい。今までの音楽の流れを踏襲したフランス語テキストの歌曲だからである。古くはヴィクトリア、バッハ、モーツァルト、そしてドビュッシー、ストラヴィンスキー、サティとありとあらゆる音楽を愛した。つまり、現代の作曲家に見られがちな新しい試みに目を向けた音楽というよりも、今までの流れから派生させて出てきた音楽といえる。そこにプーランクの個性が加味されて、結果的に独特の雰囲気を作り上げることになった。特にユーモアあるパリッ子であること、信心深いことなどがあるが、選んだ詩について往年の大詩人(ヴェルレーヌなど)を取り上げず、自分と同世代の詩人を選び実際の交流の中から詩に対する理解を深めたことは大きくプーランクの歌曲を特徴づけている。詩の内容はさることながら、詩人によっても曲の趣が異なるのである。例えばアポリネールにつけた曲が諧謔的な要素を持つのに対し、エリュアールのものは深遠で深刻だ。今回取り上げるヴィルモランには、色気が溢れている。女性の持つ時に上質で時に悪質な色気。
 140曲以上の歌曲を作曲したプーランク。今夜はほんの一部のご紹介であるが、これを機にぜひ親しみをもっていただけたらと思う。(渡辺有里香)


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[├stravinsky ensemble]

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