『ショーシャンクの空に』&『フィガロの結婚』
2001-04-11


1幕、伯爵に仕えるフィガロは伯爵夫人の侍女スザンナと今日結婚するのだが、伯爵がスザンナを狙っているのを心配している。女中頭のマルチェリーナは結婚を形にフィガロに金を貸してあるので、何とか二人の結婚を妨害して自分と結婚させようとたくらみ、医者のバルトロもかつて思いを寄せていたロジーナ(伯爵夫人)を伯爵に奪われたので、それをお膳立てしたフィガロを恨んでマルチェリーナを応援している。さらに、すべての女性に恋してしまう(特に伯爵夫人に憧れる)年頃の小姓のケルビーノ、もめ事の大好きな音楽教師バジリオなど、個性的な人物が入り乱れて長い1日が始まる。

2幕、夫の愛情がさめてしまったことを嘆く伯爵夫人に、フィガロとスザンナは伯爵の浮気現場を押さえてこらしめる作戦を提案するが、その準備が伯爵に見つかり一騒動となり、何とか言い逃れた所へ今度はマルチェリーナが現れてフィガロを訴え、さらに大混乱となる。

3幕、裁判になり、フィガロは金を返すかマルチェリーナと結婚するかと追い詰められるが、ふとしたことからフィガロの両親がマルチェリーナとバルトロであることが判明して万事解決、マルチェリーナとバルトロも結婚することになり、めでたく2組の結婚式が行われる。その間に夫人とスザンナは伯爵に密会の手紙を書く。

4幕、夜、伯爵邸の庭。夫人とスザンナは服を交換してそれぞれの夫を試すことにする。フィガロは伯爵とスザンナ(実は夫人)が浮気をしているから仕返しにこちらも浮気をしようと夫人(実はスザンナ)を口説くのでスザンナは怒るが、フィガロは最初からスザンナだとわかっていたと言って2人は和解する。スザンナに逢おうとやって来た伯爵は夫人(実はスザンナ)とフィガロが2人でいるのを見て大騒ぎするが、すべて芝居と分かると深く反省し、夫人も伯爵を許して喜びの合唱で幕となる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『フィガロの結婚』は、お話としては『セビリアの理髪師』(ロッシーニ作曲)の続編にあたります。『セビリアの理髪師』は、後見人バルトロや音楽教師バジリオに邪魔される中、ロジーナと伯爵の縁結びをする何でも屋フィガロのお話。『フィガロ』ではちょっと冴えないフィガロですが『セビリア』ではすごいスーパーぶりを発揮します。そんなフィガロって何だか『ムトゥ』(1995印)みたいだと思いませんか?「スーパー召し使い」というキャラクターだけでなく、手紙や庭での大混乱や出生の秘密など、古今東西共通のコメディの定石なのでしょうか。それと、私にはムトゥの登場の歌がフィガロの登場のアリア(「何でも私におまかせを」と歌う「何でも屋の歌」、『トムとジェリー』でブルドックのバリトン歌手が歌うあれです。)のように思えます。

さて次回はスペシャル対談の第2弾、ゲストにソプラノ歌手の安陪恵美子さんをお迎えして、とても美しくとても笑えてとてもブラックなオペラ『ジャンニ・スキッキ』をテーマにお話をうかがう予定です。お楽しみに!

◇『ショーシャンクの空に』THE SHAWSHANK REDEMPTION(1994米)
監督:フランク・ダラボン
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ティム・ロビンス/モーガン・フリーマン

◆『フィガロの結婚』LE NOZZE DI FIGARO(1786初演)全4幕
作曲:モーツァルト W.A.Mozart(1756-91)
原作:ボーマルシェ
台本:ダ=ポンテ

禺画像] 川北祥子(stravinsky ensemble)
東京芸術大学大学院修了、「トムとジェリー」とB級映画とパンダを愛するピアノ奏者。
「トムとジェリー」からはクラシック音楽の神髄を、
B級映画からはお金がなくても面白いコトに挑戦する心意気を学ぶ。
パンダからは…?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*オマケ話

続きを読む
戻る
[└映画を見たらオペラも]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット