鳥たちのカフェ(カフコンス第164回)
2024-07-20


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*曲目

デーヴィス「鳥の歌」
Michael Jerome Davis (1957-)
The bird song (2009出版)
*ソプラノ・フルート・ピアノ

ドップラー「森の小鳥」
Franz Doppler (1821-83)
L’oiseau des bois (1865頃)
*フルート・ピアノ

グノー「ツグミ」
アーン「リラの木にいるナイチンゲール」
シャミナード「マドリガル」
Charles Francois Gounod (1818-93)
Le fauvette (1839)
Reynaldo Hahn (1874-1947)
Le rossignol des lilas (1896初版)
Cecile Chaminade (1857-1944)
Madrigal (1886初版)
*ソプラノ・ピアノ

エマニュエル「ソナチネ "田園"」
Maurice Emmanuel (1862-1938)
Sonatine "Pastorale" (1897)
 1.La Caille ウズラ
 2.Le Rossignol ウグイス
 3.Le Coucou カッコウ
*ピアノ

ヴィエネル「カッコウ」「リンゴの花」「フクロウ」
コスマ「コロラドの鳥」
Jean Wiener (1896-1982)
Le Coucou (1954-5)
La fleur de pommier (1957)
Les Hiboux (1954-5)
Joseph Kosma (1905-69)
L'oiseau du Colorado (1967)
*ソプラノ・ピアノ

ルーセル「ロンサールの二つの詩」
Albert Roussel (1869-1937)
2 poemes de Ronsard (1924)
*ソプラノ・フルート

メシアン「クロツグミ」
Olivier Messiaen (1908-92)
Le merle noir (1952)
*フルート・ピアノ


*出演

石橋美時(フルート)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 新・金魚坂での初のカフコンスにご来場ありがとうございます。本日はフルート、ソプラノ、ピアノの3人で「鳥たちのカフェ」と題して演奏いたします。

 「鳥の歌」は「鳥の曲を吹かされるフルート奏者の歌」。「動物の謝肉祭」や「ピーターと狼」等のフレーズも交えながら、その難しさや悩みを訴えます。

 「森の小鳥」もまさにそんな名人芸的フルート作品の典型で、ホルン4本の森(今回はピアノで演奏)をフルートの鳥が飛び回ります。

 「ツグミ/リラの木にいるナイチンゲール/マドリガル」は鳥の声や描写から少し離れ、鳥を通して愛する人に思いを馳せる、19世紀のフランス歌曲です。

 「田園」は題名通り、ベートーヴェン「田園」2楽章のウズラ、ウグイス、カッコウの声を発展させたもので、それぞれの音型から各楽章が作られています。

 ここからは20世紀に入ります。デスノスの詩による「カッコウ/リンゴの花/フクロウ/コロラドの鳥」は、鳥が登場する言葉あそびの歌です。

 今年が生誕500年にあたるロンサールの「二つの詩」は100年前の生誕400年に際して作曲されました。フルートと歌の静謐な対話の中に想いが溢れます。

 最後の「クロツグミ」は20世紀フルートの鳥の曲の定番。パリ音楽院の試験用の委嘱作で、メシアンがますます鳥に没頭するきっかけとなった作品です。


*歌詞大意

「鳥の歌」(作曲者自身)

フルート奏者はなぜいつも鳥の役なのだろう
もっといい生き物がたくさんいるのに
曲は易しくないどころか 時に殺人的だ
なぜいつも馬鹿馬鹿しい鳥の役なのだろう

一分間に千個もの音を吹かされるのだ
鳥がそんな風に鳴くのは聞いたことがないのに
一度くらい ダブルタンギングのインコでなく
リスや猫になってみたい と思うのは変だろうか?
  鳥になるのはもううんざりだ
  見事な装飾になるかもしれないが
  滑稽になってしまったりもする

ああドビュッシーさんありがとう 牧神にしてくれて
一曲だけなのに どれほど記憶に残ることか
時には小川のせせらぎにもなるけれど
これも難しく 音符はもっと増えてもう逃げられない
  鳥になるのは本当にうんざりだ
  絶妙な名人芸になるかもしれないが
  あなたの神経を逆なでしてしまったりもする

恐怖に直面しなくてよい日はなく
果てしないさえずりが頭から離れない

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[├終了したカフコンス]

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