ボクシング&短距離走
2020-08-01


明日の「スポーツカフェ」では、「スポーツを楽しむ夏の休日の日記」をコンセプトに、様々なスポーツの曲をリレー形式で演奏します。ボクササイズのアリアの後、最後はボクシングと陸上の試合です。

ロシア出身の作曲家チェレプニン(1899-1977)の「スポーツのソナチネ op.63(1939)」では、ファゴットとピアノが「対戦者」に設定されています。第1楽章「ボクシング」は、どうやら相手と同じ音に到達したらクリーンヒットというルールのようで、ファゴットとピアノが相手の音を狙ってアグレッシブに攻めたりディフェンスに徹したり。最後には両者同時にパンチが決まり、作曲者は「判定は聴衆に委ねる」そうです。

試合と試合の間の息抜きのひとときを描く緩徐楽章「ハーフタイム」を挟み、第3楽章はカノンの形式による「陸上レース」。ピアノはスタートでファゴットに2小節(8分の6拍子なので8分音符12個)の遅れをとりますが、次第に1小節(6個)、半小節(3個)、8分音符2個、1個、と追い上げ、音高も3度下から2度下、半音下、と迫ります(追いかけるのでなく追い越そうと思って弾くカノンは初めてです)。最後はついにピアノが先にフィニッシュしたのか、ファゴットが16分音符で駆け抜けたのか? メダルの行方はぜひお聴きになってご想像ください。

本当ならこんな競技が毎日繰り広げられていたはずの今夏、せめて音楽でスポーツの一日をお楽しみいただけたらと思います。ご来場をお待ちいたしております。


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明日の演奏メニュー

2020年8月2日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第145回
スポーツカフェ・2020TOKYO

ブリテン「休日の日記」より
   早朝のシャワー/セーリング(ピアノ)
ケックラン「リリアンのアルバム」より
   スイミング(フルート)
ペッテション=ベリエル「フレースエーの花々」より
   ローンテニス(フルート)
シベリウス「6つの歌 op.36」より
   トリアノンでのテニス(ソプラノ)
ウィリアム・シューマン「野球オペラ マイティ・ケイシー」より
   9回裏の祈りのアリア/他(ソプラノとバリトン)
バーンスタイン「タヒチ島の騒動」より
   スポーツクラブのロッカールームでの勝者のアリア(バリトン)
チェレプニン「ソナチネ・スポーティフ」
   1.ボクシング 2.ハーフタイム 3.陸上レース(ファゴット)

柳沢亜紀(ソプラノ)
藪内俊弥(バリトン)
石橋美時(フルート)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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