ラヴェル風
2017-06-27


来週末7/9のカフコンスは「デュオのひととき〜クラリネットとピアノによる近代フランス音楽」。ピアノソロではラヴェル(1875-1937)が他作曲家に寄せた3曲を演奏します。

「ハイドンの名によるメヌエット(1909)」は、音楽雑誌のハイドン没後100年企画の委嘱作。「H-A-Y-D-N」の綴りを音に置き換えた「シ-ラ-レ-レ-ソ」の音型で作曲する、というお題で、ラヴェルの他、ドビュッシー、デュカス、アーン、ダンディ、今回演奏するヴィドール、の作による6曲が掲載されました。

アルファベットから音への置き換えのルールは各種あり、ここではH以降も繰り返しラから当てはめ、Hだけはドイツ音名式に〓シとする、という方法が採られていますが、音名と直結する「B-A-C-H」や「G-A-D-E」に比べるとちょっと難解ですね...

「ボロディン風/シャブリエ風(1913)」は、師フォーレのクラスで知り合ったイタリアの作曲家カゼッラの「...風に (A la maniere de...)」という曲集に参加したもの。「(ボロディン風)ワルツ」ではボロディンの2つのピアノ小品のモティーフを組み合わせてデフォルメ、「グノーの”ファウスト”の旋律による(シャブリエ風)パラフレーズ」では、題名通りグノーの旋律を用いてスタイルはシャブリエ、と一捻り効かせています。

カゼッラがネタにしたのはワーグナー、フォーレ(カフ第3回で演奏)、ブラームス、ドビュッシー、R.シュトラウス、フランク、ダンディ、という先人大作曲家たちですが、その中に「ラヴェル風」も登場するのは寄稿のお礼かそれとも友情の証でしょうか。「ラヴェル風」とラヴェルが他作曲家のスタイルで書いた作品とどちらがラヴェルらしいかも比べてみたいですね。ちなみに後年のラヴェルの「ラ・ヴァルス」はカゼッラとの2台ピアノで初演されました。


--------------------------------------------------

次回の演奏メニュー

2017年7月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第127回
デュオのひととき〜クラリネットとピアノによる近代フランス音楽

ヴィドール「序奏とロンド」
ラヴェル「ハイドンの名によるメヌエット/
     ボロディン風/シャブリエ風」 *ピアノソロ
プーランク「クラリネットソナタ」
予定

相良麻衣子(クラリネット)
池山恵未(ピアノ)

--------------------------------------------------
[├カフコンスブログ]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット