仏蘭西喜歌劇二重唱(カフコンス第6回)
2003-11-16


それは春の初めのこと
鳥たちは所帯を持って
すべてのものがみな同じようなことを望んでいました

「ほほえむ春の優しい花よ」
 スザンヌ/アンドレ:

ほほえむ春の優しい花よ おまえは
苔の上でそんなにもつつましく咲いているのに
どうして堂々と見えるのかしら?
柔らかい色をして なんと魅力的なのかしら

小さな花よ 何を言おうとしているの?
きっとすばらしい事ばかりに思える
おまえはじっと黙っているけれど
私たちに幸せを伝えてくれているのね

あなたは私にその資格があると?
私の心は ああ こんなに動揺している
誰でも自分の心を自由にできるんだ
僕の言う事を聞いて かわいいスゾン

静かに心が震えたら それは愛 それこそ愛
私たちの心に 愛しなさい と愛が言うの
聞いて ほら 愛に応えるのよ
愛だけが私たちの心を自由にできる

私は花にもう一度教えてとたずねる
その気持ちを信じるべきなの?
それともそれを閉じ込めなければいけないの?
ほほえむ春の優しい花よ…

「ボレロ」
 マルヴィナ/ヴァレリアン:

愛 この世の真理の光 すばらしい過ち!
一緒に行こう スコットランドへ
それともギリシャ イタリア 山の連なるスペイン?
あなたらしいわね 決めたわ スペインがいいわ
あそこには 山に宮殿を持ってる
目に浮かぶわ あなたの腕の中の アルハンブラ!

聞いてくれ 嫉妬深いマルヴィナ
旅行家によればスペインはだめだ
二人きりで隠れなきゃいけない みんな探しにくる
どうして? そう思うの?
なぜって いいかい スペインは流行りだからね
パリはもっと安全で快適 まだ注目されていないから

パリへ行きましょう
君に紹介するよ マイアベーア ベルリオーズ
我らがケルビーニ パガニーニ ベッリーニ
ロッシーニ ガヴァーニ エルナーニ!
僕たちのこの時代の全ての名士たちと知り合いなんだ
アントニ フランコニ トルトニ!

愛するマルヴィナ 正直に言おう
僕は城なんて持ってない 貧乏で あるのは音楽だけ
貧乏ですって! 簡単に言うのね!
ボヘミアンの世界を楽しく放浪しないかい
そこではみんな歌い 笑い 夢見る
そして愛しあう 夜も昼も愛に生きるんだ!

「紅茶の唄」
 グルドン:

この世に紅茶ほど素晴しいものがあろうか
美味しく飲む仕上げには砂糖も必要
パテの後には紅茶がほんとうに美味しいもの

沈んでいる時には気分を高ぶらせ
興奮している時はすぐに鎮めてくれる
その両方の効きめがあるんだ

あたたかい紅茶がいい
パテを食べたらお腹を落ち着かせなきゃ
だから僕は紅茶を飲むのさ!

「タルト・ア・ラ・クレーム」

タルト・ア・ラ・クレーム
ああ愛しいあなた
砂糖菓子もリキュールも
あなたの甘さにはかなわない

愛に満ちた甘い言葉も
甘いソネットや甘いポエムも
王冠の輝きでさえ
あなたほど私を幸せにしてはくれない

素敵な若い男性に
愛してるとささやかれても
なにも迷うことなく
ほほえんで答えるでしょう
タルト・ア・ラ・クレーム
私が愛するのはあなた!

「ロバの二重唱」
エレーヌ=ヴェロニク/フロレスタン:

こっちにそっち、えっちらおっちら
さあ歩け、さあ進め ほら! かわいいロバさん、
さあ! こっちにそっち、えっちらおっちら
ごほうびは燕麦だよ

ああ! 私は幸せで
何だか知らないけれど笑ってしまうわ!
 (もし僕が楽しげに見えても 実は悲しいのさ)
ああ! なんて愉快なロバさん
でも二人の間は、きまぐれなものね
 (まだよく分かっていないようだね
  僕を地獄へ落とすなんてなんて人だ!)

こっちにそっち、えっちらおっちら

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