わが愛しのナイチンゲール(カフコンス第15回)
2005-03-27


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*曲目

メシアン「黒つぐみ」
Olivier Messiaen (1908-92)
Le merle noir (1951)
フルート&ピアノ

同「黒つぐみ」(鳥の小スケッチ より)
Le merle noir (1985)
ピアノ

クープラン「恋のうぐいす」
Francois Couperin (1668-1733)
Le rossignol-en-amour
フルート&ピアノ

ドップラー「森の鳥」
Franz Doppler (1821-83)
L'oiseau des bois
フルート&ピアノ

ルーセル「ロンサールの2つの詩」
Albert Roussel (1869-1937)
Deux poemes de Ronsard (1924)
  Rossignol, mon mignon... 私の愛しいうぐいすよ
  Ciel, aer et vens... 空、大気、風、
ソプラノ&フルート

ヘッド「鳥の歌」
Michael Head (1900-76)
Bird-song
ソプラノ&フルート&ピアノ

(サンサーンス「見えない笛」ソプラノ&フルート&ピアノ)


*出演

渡邊玲奈(フルート)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 鳥の声を聴くのに説明も野暮なのだが一言ずつ。メシアンは20世紀に多様な作曲技法を編み出した一方、野生の鳥の声を採譜して作品に用いたことでも有名。2曲の「黒つぐみ(クロウタドリ)」はメシアンの「鳥」作品群のほぼ最初と最後に位置する。「恋のうぐいす」はフランスバロックを代表する作曲家クープランの優雅なクラヴサン曲。「森の鳥」はフルートの名手でもあったドップラーの作品で、ホルン四重奏の森でフルートの鳥がさえずるという珍しい編成によるもの。歌曲3曲はそれぞれヴァラン、クロワザ、ジョーン・サザーランドという名歌手達に捧げられている。歌詞大意もご参照いただき、「ロンサールの2つの詩」では16世紀フランスルネサンス文学の世界を、「鳥の歌」ではイギリスの四季の田園風景をご想像いただければと思う。


*歌詞大意

ロンサールの2つの詩(ピエール・ド・ロンサール)

私の愛しいうぐいすよ、この柳の植え込みで
一人思いのまま枝から枝へと飛びまわり、
いつも口ずさまねばならない歌を
歌いながら通る私と競って歌っておくれ。
私たちは二人してため息をつく、
あなたをとても愛する人の好意を
あなたの甘い声は魅きつけようとしている、
私の心にこれほど苦い傷をつけた美しさを
私は悲しみ悔やんでいる。
しかしうぐいすよ、
私たちには一つ違っているところがある。
あなたは愛され、私はそうではない、
たとえ二人が同じような歌を歌っていても。
あなたは甘い声で愛する人を酔わせるけれど
私の愛する人は私の歌を軽蔑し
聞こえないように耳をふさいでしまう。

空、大気、風、平原、はげ山、
岐れた丘、緑の森、曲がった岸、波うつ泉、
雑木林、緑の林、半分開いた苔むす洞窟、
牧草地、つぼみ、花、露にぬれた草、
ぶどう畑、亜麻色の浜辺、
沼地、山脈、そして私の悲しい詩よ、
旅立ちにあたり心配と憤りにやつれ、
近く遠くに私を動揺させるこの美しい
景色の前には言えなかった別れの言葉を、
お願いだから、空、大気、風、山、平原、
雑木林、森、岸、泉、洞窟、牧草地、花よ、
私の代わりに伝えておくれ。

鳥の歌(マージョリー・レイメント)

秋空のように曇った悲しい気分で
私は暗い森をさまよう。
すると苔のむしたねじれた枝から
コマドリの澄んだ高い歌声が聞こえる。
こんなに甘く。

湿って寒い波打ち際で
氷のように冷たい泡の指先が
周りを静かに渦巻く中
灰色のシギは嘆き悲しみ叫ぶ。
こんなに寂しそうに。

四月の朝の薄い桜草の光が
窓越しにやわらかくさし込む。
春の爽やかな夜明けに私の心は呼び起こされる。

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[├終了したカフコンス]

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