コクトーのテキストによる作品とクラリネット
2002-03-22


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 叙情的悲劇「人間の声」は、ジャン・コクトーの戯曲にもとづき、1958年に作曲されたオペラで、全一幕約40分の間、主人公の女性がただ一人電話で話し続ける、大変現代的な一人芝居です。数日前に恋人から別れ話をされた女性と、こともあろうに、明日、別の女性と結婚してしまうその恋人との最後の電話が物語になっており、女性が電話に向かって、切々と「虚言」を言い、最後には電話線を首に巻いてしまう・・・。といったちょっと怖い?ストーリーです。今回は3つの場面を抜粋して演奏致します。<安陪恵美子>


*歌詞大意

「リボンの飾り」

* ナルボンヌの蜂蜜

心を使ってごらん。
 道化師たちが黄金のフンから花と咲く。
眠ること! 一蹴りすれば飛べる。
「おらと遊んどくれ」
モアブ人、青十字の女性。キャラバン。
バニラ、ペッパー。タマリンドのジャム。
船乗り、襟、飾り房、口ひげ、マンドリン。
リノリウムのだまし絵。ありがとう。
映画、斬新な詩よ。

* 子守りさん

テクラ、我々の黄金時代よ。
 パイプ、カルノー、ジョフル。
私はすべての頭痛持ちに申し出る、、、
キリン。結婚式。ギュスターヴの挨拶。
グノーのアヴェ・マリア、つつましい乙女、
市長の歌、旅行クラブ、蓄音機。
はり紙、生彩のある犯罪。機械じかけのピアノ、
ニック・カーター、ひどい話だ!
自由、平等、友愛。

* 兵隊さんの子分

コルネット一本の曲、ポルカ。
ソフトキャラメル、すっぱいキャンディー、はっかのあめ玉。
幕間。木靴の匂い。
太鼓たたきに殺されたサテンの美しい獲物。
ハンブルク、小ジョッキ、木いちごのシロップ
自らの手を使う鳥刺し。
幕間の寸劇、青い軍服。
空中ブランコが死に香を捧げる。

「モンテカルロの女」

死人たちの中でも一番死人らしいってのに、
まだ生者たちのところを這いずってる
あらゆる事があたしらを締め出し
そのうえさっさと門前払い
もう若くもなく愛されもしない女…
閉まったドアの後ろで、
残る道は水にドブンか
ハジキを買うばかり。
そう、だんな方、これが
臆病者やろくでなしどもの末路さ。
だけど、もしもそんなことにびびって
怖さがまといついてたり
血管切るのに怖気づくなら
ともかく、思い切って運を試しに
モンテカルロへ旅してみるか

モンテカルロ、モンテカルロ。
ようやくあたしの一日も終わったよ
眠りたい
地中海の水の底でね

あたしらの魂 売って
もう二度と取り返さないつもりで
アクセサリー質に入れたら、
ルーレットは素敵なオモチャ。
「賭けるわ」って言うの、イカすでしょ。
そいつは頬に火をつけ
それに瞳を輝かせるわ。
キレイな喪のヴェールの下で
あたしら綺麗な未亡人の名を騙ったわ。
爵位は誇りをくれる!
夢中で、支度して、すべてまっさらで、
さあ、いつものカードしにカジノへ乗り込むよ。
あたしの羽根やヴェールをご覧なさい、
モンテカルロへあたしを導く
ぎらぎら光る幸運の星、よくご覧なさいませ。

ツキは女ね。やきもち焼いたのさ
その勿体ぶった未亡人の有様に。
信じたに違いない、
あたしが本物の大佐と結婚してたってね。
あたしは勝ってた、勝ってたんだ12で。
それなのにドレスはほころび、
毛皮のその髪は抜け落ちた。
いくら「今度こそ」と繰り返しても
ツキがあたしらを嫌ったとたん、
心がイライラしたとたん、
ちょっと身動きしたって、
銅貨をテーブルの上に押し出したって、
離れていくツキは
間違いなく数字やカードを変えちまう
モンテカルロのテーブルの。

悪党め、とんまめ、性悪め!
奴らあたしを外につまみ出した…外に…
それに汚いってあたしを非難しやがる、

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[├stravinsky ensemble]

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